個人の事例

Cases(individual)

事例① 10代男子 高校生
不登校 勉強に
手がつけられない

〈期間・回数〉1年半・60回
  • 初回面談

    高校2年の6月に母親と一緒に来室。
    第一希望で入った進学校に登校できず困っていた。
    人間関係のトラブル、勉強に対する嫌悪感(教科書を見ると吐き気がする等)。発達障害の診断を過去に受けている。
    ある種のこだわりに加えて、児童期からの学校生活における複数のトラウマがある様子。
  • 経過

    気分の不安定さやイライラ感が収まるように、まずはニューロフィードバックを開始。

    脳波からは、集中が難しい様子や、気分にムラがあり、それをコントロールするのが難しい様子がうかがわれた。

    10回ほどのトレーニングで本人からは「わけもなくイライラすることは減った」とのこと。

    また、苦手と思う状況になると固まってしまい動けなくなるのは、過去のトラウマ体験に起因すると思われたため、折を見てニューロフィードバックに加えトラウマ治療を試みた。これまでの複数のいじめ被害の体験や、子ども時代の傷つきに対して、ホログラフィートークや催眠療法、ボディコネクトセラピーをトラウマ治療として行った。ニューロフィードバックで神経系の調整を行うと同時に、セラピーでトラウマ体験を具体的に扱った。


    両親とも相談の上、夏休みには学校を退学することを決め、通信制の高校に転入。アルバイトをしたり、PCを自作するなど、自分主体の活動を始める。両親もどう関わるべきか悩んでいらっしゃったので、時折ご両親との面談も並行して取りいれた。


    高3になり大学入試で苦戦を強いられ、周囲は「また固まってしまうのではないか」「身動きが取れなくなるのではないか」と心配したが、本人が自分で選択し、粘り強く挑戦を続けた結果、無事合格を果たした。ご両親のスタンスも変化し、見守りながらも寄り添う姿勢は本人に大きなサポートとなっていたように思われた。


    現在は、自分のスタンスを保ちながら大学生活を楽しんでいる。その後も時折メンテナンスのために訪れている。

    現在は安定した大学生活を送っている。

事例② 40代女性
娘の問題行動に混乱し感情的になってしまう。
自分の仕事もミスが多くうまくいかない

〈期間・回数〉11か月・35回
  • 初回面談

    「高校生の娘が不登校傾向で、問題行動が多い。
    後天的ではあるが障害があり特別支援のサポートを受けてきたが、最近は言うことを聞かず外で問題を起こすようになった。
    そのような娘にどう対応していいかわからず、感情的になり家族全体の関係も悪くなっている」とのこと。
    ご自身も自己免疫疾患を抱えており、障害のあるお子さんの子育てはかなり大変なご様子であった。
    また、半年ほど前から勤務を始めた職場で、「ミスが多い、仕事が覚えられない、パニックのようになってしまう」など課題を抱えていらっしゃった。
  • 経過

    ニューロフィードバックでは、かなり脳波が不安定な状態で、周囲の刺激に翻弄されてしまう様子がうかがわれたため、まずは神経系を落ち着けるプロトコルを行った。

    また同時に、自己免疫疾患の発症をおさえるプロトコルも組み込んだ(娘も並行してニューロフィードバックに通う)。


    毎回、具体的に娘の行動についての相談があり、前半に母親本人を支えることと、具体的な娘への対応についての話し合いをし、後半にニューロフィードバックをする流れを繰り返した。

    数か月後には娘の行動は落ち着きを見せ始め、その後話題は夫との関係、実家との関係、自分の育ってきた中での傷つきや考え方の癖などにおよび、その中で多くのことに気づかれていった。


    脳波の状態もかなり反応がよくなり、その頃より「仕事で褒められることが増えた」「前よりパニックにならず落ち着いてやれている。前と変わったと職場の人からも言われている」と周囲からも変化がわかる程となった。また、家庭の状況も穏やかに変化していった様子で、振り返りながら「あの時は家族が崩壊の危機でした」とおっしゃっていた。


    現在も、自己免疫疾患は抱えていることから、ご自分のペースで時々通われている。

※許可を得て掲載しています。

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